您的位置:首页> 商务日语 > 2013年浙江工商大学日语笔译真题A卷(二)
Ⅱ.読解(合計40点)
問題一、次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(20点)
動物でも植物でも、およそ生命あるものは、与えられた環境のもとで自然に育ってゆく力を備えている。とくに手を加えなくても自然に[育つ]ものを、あえて「育てる」ところに文化が成り立つ。動物を家畜として育て、植物を農作物として育てることをはじめたとき、人類の文化は、その発展への大きな一歩を踏み出した。家畜や作物に限らず、何かを「育てる」活動のなかには、通例、育てる側からのなんらかの方向づけの要素が含まれている。子供を「育てる」過程も、しつけや教化の要素をぬきにしては成り立たない。
こうした「方向づけ」の側面を強調して、昔の人は「そだてる」という言葉を、ときに「おだてる」「扇動」の意味を用いた。しかしもちろん、自然に「育つ」側面を無視して「育てる」ことはできない。内側からの成長と外側の形成との、いわば接点に「育てる」活動がある。あるいは「なる」(自然)と「作る」(人工)との中間といってもよい。そして昔から、私たち日本人はこの中間領域を重視してきた。
人間も「氏より育ち」である。血統よりも環境が大切だ。教育環境の重要性を説く「孟母三遷の教え」なども、本家の中国より、むしろ日本で広く流布しているのではないか。むろん、出生より環境という思想は、一面において、現実には出生がものをいう身分社会に対応するものだ。しかし、せめて子供に託す親たちの夢や願望が①そこに投影されているという意味では、この思想は「現代的」である。たしかに伝統的な身分社会は崩れたけれども、②今日の学歴社会は、ある面で身分社会と相似の構造を持つ。「教育ママ」と呼ばれる現代の「孟母」たちも、この構造が生み出したものだ。
子供を「育てる」にせよ、部下を「育てる」にせよ、あるいは弟子を「育てる」にせよ、その本来の目的は相手を一人立ちさせることにある。しかしこの目的は、育てる側のエゴイズムのゆえに、あるいは育てる相手への強い愛着のゆえに、ともすれば見失われがちである。
しばしばは、相手の自立を目指す活動に従事しながら、しかも、③その時が来るのをひそかに恐れる。相手の自立は一種の離別を意味し、また自己の影響力の喪失を意味するからである。こうして、④「育てる」過程の成就を何とか引き伸ばそうとする無意識的な傾向が生じ、さらには、客観的に見ればこの過程の成就であり、本来の目的の達成であるものが、相手の裏切りや忘恩と感じられるということも起こる。
問1:文中の①「そこ」はどういうことか。(4点)
A「孟母三遷の教え」
B教育環境の重要性
C出生より環境という思想
D出生がものをいう身分社会に対応すること
問2:なぜ、②「今日の学歴社会は、ある面で身分社会と相似の構造を持つ」というのか。(4点)
A現在の学歴社会では、出生がものをいうと信じるから
B現在の学歴社会も、すでに身分社会になるから
C現在の学歴社会では、親たちの夢や願望も子供に託すから
D身分社会では出生が大切で、学歴社会では、学歴が大切だから
問3:文中③「その時が来るのをひそかに恐れる」とはどういうことか。(4点)
Aいつまでも、相手が自立できないことを心配していること
Bいつか相手が自立できると、育てる側はめざすこと
Cいつまでも、相手を方向づけたがっていること
D相手の自立の日を心の中で期待すること
答案写在答题纸上,写在试卷上无效。第3页(共5页)
問4:文中の④「育てる過程の成就を何とか引き伸ばそうとする無意識的な傾向」とはどんな傾向か。(4点)
Aできるだけ「育てる」過程の成就を小さくしようとする傾向
Bできるだけ「育てる」過程の成就を大きくしようとする傾向
Cできるだけ「育てる」過程の成就を引っ張って長くしようとする傾向
Dできるだけ「育てる」過程の成就を自分のものにしようとする傾向
問5:この文書にふさわしいタイトルはどれか。(4点)
A学歴社会の教育環境
B「育てる」とは何か
C出生より環境
D「育てる」の目的とは何か
問題二、次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(20点)
新緑が眩しくなるにつれて、都会の路地でもしばしば野鳥の姿を見かけるようになる。ある日、チーチーという可愛らしい響きに、私は心を躍らせながら立ち止まった。
ひょっと後ろをみると、少し離れた所に十五歳くらいの二人学生が、やはり足を止めて耳を澄ましていた。微笑みを返してくれた少女たちの黒い瞳には、真摯な心が投影されているように感じられた。
別れ際に、一方の少女が①青春の深みにはまっているように感じられて妙に印象に残った。そして遥か彼方になった私の、小枝に出た若芽のような時期を思い出した。その年代の多くが通過する人生の悩みに突入して、私は身動きできなくなっていたのだった。
生とは?死とは?実とは?虚とは?自分とは?…などの疑問や不安が溜まって、ひどい鬱の状態だった。
生暖かい日のこと、見上げた薄青い空を数羽の小鳥が横切った。ゆっくりと足元を見ると、まだ砂利だった路地の隅に草の緑が、まさに萌えようとしている。珍しくもないごく日常的なこの光景が、この時、ふと違って思えた。
柔らかい薄緑の葉が精いっぱい伸びようとしている。その姿に、圧倒されながら「(ア)・・・」と、心の中で叫んだ。病んだ気分の私には、この小さな生命力が渇き切った根に滴る水に感じられた。
長い眠りから覚めた時のように、まだ朦朧とした状態はしばらく続いていた。それでもこの時、あの名もない草に出会わなかったら、私の人生はきっと別な方へ向かっていると思う。
それから七年ほどして、私は写真家の卵として社会人になった。その砂利の道も経済の成長による恩恵を受けてアスファルトに舗装された。(中略)
それでもどうにかここまで来られたのは、私を支えてくれた小さな草があったからともいえる。②その姿と重なるような人々との出会いに、私はどんなに励まされただろうか。(イ)、そうした人々を撮った写真はどれも、私の大切な財産となっている。
問1:文中の下線①「青春の深みにはまっている」というのはどういうことか、A~Dの中から一つ選びなさい。(4点)
A野鳥の姿に足を止めて、耳を澄ましている状態
B人生に悩みに突入して、身動きができない状態
C珍しくないものがつながって見える状態
D若芽のように精いっぱい伸びようとしている状態
答案写在答题纸上,写在试卷上无效。第4页(共5页)
問2:文中の(ア)に入れるものをA~Dの中から一つ選びなさい。(4点)
Aああ、生きているんだ
Bああ、死んでしまいたい
Cああ、早く年をとりたい
Dああ、どうしたらいいんだろう
問3:文中の下線②「その姿」とは何のすがたなのか、A~Dの中から一つ選びなさい。(4点)
A少女
B小枝の若芽
C数羽の小鳥
D路地の草
問4:文中の(イ)に入れるものをA~Dの中から一つ選びなさい。(4点)
Aそれはともかく
Bそれだけに
Cその反面
Dそうは言ったものの
問5:この文章の内容と合うものはどれか、A~Dの中から一つ選びなさい。(4点)
A写真家になるのは大変だったが、いま思い出しても悔しいことや情けないことがある。
B二人の女子学生と出会ったことが写真家になるきっかけだった。
C小さい草が精いっぱい生きている姿に支えられて、生きてきた。
D病気になって死にそうだったが、人々に励まされ命が助かった。
Ⅲ.作文(合計30点)
指定テーマを題に、800字の文を作成しなさい。
テーマ:幸福
注意事項:①漢字を使うべきところは漢字を使うこと
②「だ・である」体で書くこと
③横書きにすること
④一行に30文字ぐらいとする
答案写在答题纸上,写在试卷上无效。第5页(共5页)